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2023.5.18

NativeOceanDSP、プログラマティックブランドセーフティ対策を強化

Section: ブランドセーフティとは

デジタル広告におけるブランドセーフティ対策は、広告配信時にブランドの評判やイメージを守ること全般をいいます。特にプログラマティックの場合、広告主が広告をどこに表示させるか完全にコントロールできない環境であり、自動化プロセスを用いた効率的な買付が行える一方でリスクも潜んでいます。ブランド毀損の例としては、広告コンテンツにマッチしないようなネガティブな文脈のなかで企業広告が表示され、商品への消費者イメージに悪影響を与えてしまうなどが挙げられます。

多様なリスクがある中、ブランドセーフティを確保するには3つのエリアでアクションが取られているか確認、また対策済みのベンダーを利用することが必要です。

(1) 広告をレンダリングするプレースメント:誤クリックを誘発させるような悪質な形式でないこと (2) フラウドと呼ばれる無効トラフィック:無効トラフックまた不正アドレスからのインプレッション買付を避けること (3) 表示させるコンテキスト:悪質またはユーザーに不快な印象を与えるコンテンツの隣に広告が表示されないようにすること

Section: 業界レギュレーションと主要プレイヤー 


プログラマティックにおいて共通化された規制や対策が長く普及していなかったことは昔のことで、近年では業界だけでなくグローバルで通用するルールなどが設けられています。これらの規則を担うテクノロジーを利用し対策を行うだけでなく、特定団体から認証を受けることで正しいステップを踏んでいる証拠にもなります。

Native Oceanプラットフォームは、欧米圏ではTAG(The Trustworthy Accountability Group)また国内においてはJICDAC(Japan Joint Industry Committee for Digital Advertising Quality & Qualify)の認証を受け、及びJIAA(Japan Interactive Advertising Association)のレギュレーションに従った運用プロセスを導入しています。主にEU圏で普及しているIAB(Interactive Advertising Bureau)ベンダーリストに登録されたDSPソリューションをバックエンドにしたアドテク企業と言えます。

Section: Native Oceanのブランドセーフティ

NativeOcean DSPもOpenWebの広いオーディエンスにリーチできるプラットフォームとして、業界基準に沿ったプロセスの徹底・3rdParty技術の利用・独自のアルゴリズムなど複数レイヤーで対策を実装しています。

 

DSPプラットフォームとして広告品質を担保する施策

-Transparency(透明性): 配信先ドメイン・プレースメントなどの情報を開示し透明性を守っています。

-Fraud(フラウド): 第三者テクノロジーを利用し、不正なIPアドレスや事業者からのトラフィックを特定また排除しています。

-Algorithms(アルゴリズム): 不自然なパフォーマンスをアルゴリズムがモニタリングし常時ブロックを行っています。また、CTRなどポストクリックを意識したアルゴリズムが働き、必然的に優良トラフィックが優先的に買付される仕組みになっています。

-ドメインリスト: プラットフォーム全体でTAG及びJIAAから提供される非推奨ドメインのブロックに加え、広告主や代理店がキャンペーンごとに自由にホワイトリスト・ブラックリスト設定がパブリッシャーまたエクスチェンジ指定で可能です。

-PMPs: どこに掲出されるかよりコントロールしたい場合、パブリッシャーと広告主間でディールを組むことがあります。これにより掲載面・買付額・配信量など調整された環境での配信が可能です。

-Ads.txt (アドテキスト): Ads.txtの開発によりフェイクサイトや不正なトラフィック再販が制限されました。Ads.txtが実装されたSSPの優先接続及び在庫管理を実施しています。

-プレミアムパブリッシャー: 各国主要アドネットワークやエクスチェンジとの接続を行いつつ、モバイルアプリ/オープンウェブ/CTV全てのチャネルでプレミアムパブリッシャーを買付いただけます。

Section: Pre-bid and Post-bid アドベリフィケーション

実は広告主は年間何億円ものお金を、フラウドなどに費やしています。それらを未然に防ぐ、その後その効果を確認することをAdVerification (アドベリフィケーション)といいますが、RTB買付の二つのフェーズで発生します。

  • Pre-bid: Bidがオークションにかけられる前の段階で、不正なトラフィックや条件に合わないトラフィックを排除
  • Post-bid: オークション成立後、条件を満たした買付が何%だったのかトラッキングし確認

Native Oceanでは、オークション前の対策としてAds.txtを通過したトラフィックのみ買付、またPrebidを実装したサプライパートナーをメインに接続を行っています。加えて、オークション後のトラッキングにも対応しており、第三者計測を各キャンペーンで設定することが可能です。主要ベンダーのIAS・MOAT・DoubleVerifyなどを経由して計測またブロックが可能で、項目としてはViewability/IVT%/See-through%などが挙げられます。

ベリフィケーショントラッカーの設定方法などについては、弊社の提供するガイドを参照、または担当カスタマーサクセスまで詳細をお問い合わせください。

 

Section: Brand Suitability – ブランド適合性

 

前述のブランドセーフティはブランドイメージを毀損することのない価値ある広告配信をするための対策全般をいいますが、ブランド適合性はその一部と捉えられます。しかし、判断基準が異なります。セーフティは一般規制に沿った形で不適切なコンテンツやオーディンスへ広告配信を避けることが目的ですが、適合性の基準は各ブランドや企業ごとに主観的に決定するものです。

例えば、SDGsの取り組みを歌う企業広告が、大気汚染などのコンテンツの隣に掲出することを許容範囲とするかは各自の判断によるためその対策はカスタマイズ性が求められます。

The IAB Tech Lab が特定する不適切/センシティブなトピックとして下記12カテゴリ
  • Adult & Explicit Sexual Content (アダルト/セクシュアル)
  • Arms & Ammunition (武器/武装)
  • Crime & Harmful Acts to Individuals and Society and Human Right Violations (暴力/犯罪)
  • Death, Injury, or Military Conflict (死/戦争/怪我)
  • Online Piracy (海賊版/偽物)
  • Hate Speech & Acts of Aggression (ヘイトスピーチ)
  • Obscenity and Profanity (猥褻/罵り)
  • Illegal Drugs/Tobacco/E-Cigarettes/Vaping/Alcohol (違法麻薬/タバコ)
  • Spam or Harmful Content (スパム)
  • Terrorism (テロリズム)
  • Sensitive Social Issues (デリケートな社会問題)

IABカテゴリを業界標準として導入するアドテク企業が大多数を占め、そのおかげでブランド不適合とする配信面の文脈を解析把握することが可能になっています。それを利用し、Native Oceanでも特定のコンテキストやキーワードベースのコンテキストターゲティングを適応することで、ブランド適合性についても保守する取り組みを行っています。

広告品質に関する取り組みに関してはこちらもご参照ください